未分のレポート

現実との距離感

渋谷ヒカリエにある小山登美夫ギャラリーにて7月20日から8月5日まで国川広の個展「未分のレポート」が開催されている。新作の絵画やドローイングなど17点を展示しているが全て空間に佇むヌードの人物をぼんやりとした輪郭の曖昧なタッチで描いている不思議な作品だ。自分自身と現実との距離感を探るような試みを作品にしているというが独特の世界観はインパクトがあり一度見たら忘れない感じの作品だと思った。日頃の営みの中で「ものを見る時に見たものが見たままに見えることは案外少ない」とは作家の言葉だが目の前の見ているものに想像のようなものが重なって見えるような気がするのだという。見るものの中に潜む「楽しい」とか「暑い」「寒い」といった表現しがたい気配のようなものまでをも描きこむ実験的な作業がこの独特な絵画を生み出すのだ。薄くした絵の具を塗り重ねるようなぼんやりした輪郭の描き方や色使いの色彩感覚も実に独特で未知なる才能のようなものを感じる作家だと思った。

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油絵の具を薄く重ね塗りしつつぼんやりとした輪郭の絵を描く。

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裸で本を読む人?独特のタッチが印象的である。

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野外に腰掛ける裸婦像だろうか、色彩感覚も独特でいい。

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こちらもやはりヌードの人物だが目に見えないものを描く試みだ。

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室内にいてピアノを弾いたり横になったりしている人々。不思議な世界観だ。

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薄いグレーの暖色と寒色が絶妙なコントラストになっている。

友愛の文法

3人のアーティスト

天王洲アイルにある児玉画廊にて7月14日から8月10日までシリーズ化されたグループ展「ignore your perspective 42」の企画展として「友愛の文法」が開催されている。磯崎隼士、野島健一、松下和暉の3人のアーティストによる児玉画廊では初の展示となるが多摩美術大学の同窓として彼らは多くの時間を共有してきたのだそうだ。しかし、ユニットのようなまとまりある活動をしてきたわけではなく共に時代を過ごし取り巻く環境や人間関係も似ていたというだけだったのだそうだ。しかし、ギャラリーが彼らの作品を個別に見たときにふとそれぞれの作品に通底する何かを感じたのが今回の企画展の発端となったのだそうだ。偶然かはたまた必然か、この同世代の3人の作家の作品を見ていただきギャラリーが感じた無意識的な共通点を見出していただきたい。

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木を切り出したテーブルと椅子的なオブジェなどが並ぶ。

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木の切り出しを着色したりくっつけてオブジェにした作品。

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ギャラリー内に3人の作品が自由な感じで配置され展示されている。

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かなり巨大な作品は立体作品なのか平面作品なのか。

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独特のセンスを感じるとてもいいペインティングだ。

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作家は文字遊びや記号などに興味があるのだという。

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なかなか個性的でいい感じのペインティングである。センスがとてもいい!

Les Nympheas

モネの「睡蓮」

外苑前にあるギャラリーEUKARYOTEのて7月6日から8月5日まで香月恵介の個展「Les Nympheas」が開催されている。「Les Nympheas」とはフランス語の「睡蓮」のことだがそう聞いて連想するのは印象派の巨匠モネの有名な絵画である。そう考えながらこの展覧会の絵画を見てみるとアクリル絵の具の細かい粒をびっしりと並べて描かれた画面にモネの睡蓮が現れるから面白い。点描画のごとき手法でアクリル絵の具の粒を並べた先に見事な睡蓮の池が現れるのはまるで魔法のような感覚だが、これは緻密に計算された作家の意図である。また現代のテレビ画面のディスプレイを構成するRGBのようにも見えて印象派の絵画と現代のディスプレイが重なって見えて来るのも興味深い。写真に撮るとはっきりと絵の全体像が浮かび上がるのだがギャラリーで実際に肉眼で見ると最初はよくわからないのも不思議なので是非ギャラリーに足を運んでみていただきたい作品である。

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アクリルの絵の具の粒の構成で画面にモネの睡蓮が浮かび上がる。

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深みのある色合いが魅力的だが肉眼では絵の全体像が分かりにくい。

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どう描いているのか分からないが非常にユニークな手法である。

 

さかのような人

石と戦う姿

駒込にあるKAYOKOYUKIギャラリーにて77日から8月5日まで大野綾子の展覧会「さかのような人」が開催されている。石や大理石、木材、木のパネルなどを加工して不思議な感覚のインスタレーションやオブジェを作る作家である。石を人の形のように加工し磨き上げて作ったオブジェはさりげなくネジ一つで壁面に設置されていたり大理石をまるで柔軟な素材を曲げたように人の形に仕上げその上や周りに削り出した木材や面白い形に切り取った木の板などを組み合わせ軽々とした印象のインスタレーションを作り上げたり。重い石の作品だということを忘れさせるようなライトでポップなインスタレーションは素材と表現のズレを独自の世界観にしているようにも見える。本来石は固くそして重いのだがそんな感じは作品から感じられない。しかし、作家の制作風景のビデオを見るとそこには石の加工現場でマスクをした完全防備の作家が大きな鉄の金槌で必死に石と戦う姿が映し出されているのだ。なぜ困難な素材でさらりとしたポップな作品を作ろうと思ったのか、そこがとても面白いと感じた。

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石を削り滑らかに磨き上げた人の形のオブジェ。ポップで可愛い。

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ちょっと乱暴にむき出しのネジ一つで壁に設置された石のオブジェ。

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面白い形のオブジェは素材と作品の雰囲気に不思議なズレがある。

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大理石や木材、木のパネルなどを使ったインスタレーション

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コラージュのような簡単な下絵から作品は生まれるのだという。

HARUMI’S SUMMER

パルコ世代

6月6日から8月25日まで銀座にあるギンザ・グラフィック・ギャラリーにてイラストレーターの山口はるみ展が開催されている。山口はるみの作品を見るのは渋谷パルコの閉館最後の展覧会以来だが今回はギャラリーの中央にプールのある1階は「SUMMER」がテーマで地下はグラフィックデザイナーのYOSHIROTTENが山口はるみの今までの代表作を壁一面にグラフィカルに再構築するという趣向だ。1970年代終わりから80年代にかけて、パルコの宣伝とともに華々しく現れた山口はるみのイラストレーションはパルコ世代の僕にとって本当に衝撃的だった。エアーブラシという手法も初めてだったしああいう躍動感ある女性像を絵にするイラストレーターもそれまではいなかったと思う。今見てもちっとも色褪せないのは彼女の作り上げた作品世界が本物であった証だと思うし今もそしてこれからもきっとずっと「新しさ」という独自の雰囲気を持ち続ける作品だと思う。この夏は是非皆様も山口はるみで更にホットに過ごしていただきたいです。

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プールのある1階のテーマはSUMMERといったところだろうか。

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女性が艶かしく泳ぐ姿はPARCOの宣伝に使われたイラストだ。

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YOSHIROTTENが今までの代表作を壁一面にグラフィカルに再構築。

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真ん中にはショーケースが置かれ今までの印刷物なども並んでいた。

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エアブラシという新しい手法で斬新でポップなイラストが現れた。

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山口はるみ作品集「Harumi Gals」は僕も持っています!

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可愛くてセクシーでアクティブな女性像は新鮮だった。

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エレガントでセクシーな女性の広告にショックを受けたものだ。

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渋谷PARCOが時代を牽引していた時代の代表的なイメージだった。

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下着の女性が堂々と素敵なイラストになったのは初めてだったのではないか。

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絵の才能はもちろんだがエアブラシのテクニックにおいても凄い!

 

 

Sorayama Explosion

独特の世界

7月7日から811日まで渋谷にあるギャラリーNANZUKAにて空山基の展覧会「Sorayama Explosion」が開催されている。空山基といえばご存知の方も多いかもしれないがセクシーなロボットの絵を描くイラストレーターで初代ソニーアイボのデザインなんかも手がけたアーティストだ。セクシーロボットという独特の世界を作り出し確固たる地位を築き上げた唯一無二の作家である。女性の体型そのままのロボットはセクシーさやフェティッシュ、SMチックな世界観まで表現する作品のファンは多い。日本のみならず、海外での評価も抜群でコレクターは世界中にいると思う。今回はロボットが波乗りする18万円くらいするフィギュアを限定販売するのだがあまりの問い合わせにギャラリー側が近隣の迷惑を恐れて行列などを避けるために抽選という方法に切り替えたほどである。それにしても空山基は何十年このセクシーロボットを描き続けてるんだろうか、きっと極める先はまだ見えないのだろう。

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女性の体の曲線美をそのままにロボットにしてしまう。

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これが18万円ほどする限定のサーフィンロボットオブジェだ。

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そのセクシーなロボットの人気は日本のみならず世界的だ。

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しなやかで輝くようなセクシーロボットのフィビュアたち。

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セクシーロボットのイラストの美しさや発想も卓越している。

G-SHOCK by Color

コラボレーション流行り

リモワとオフホワイトのコラボレーションのパーティーがあった翌日にはG-SHOCKkolorによるコラボレーション「G-SHOCK by kolor」の発売に先駆けてお披露目をかねたレセプションパーティーが開催された。南青山にあるkolorのショップ内に設けられた特設スペースで金色のコラボG-SHOCKが展示されていたけどなかなかオシャレでいい感じだった。抽選でG-SHOCKがもらえるチケットを入り口でもらったので試したがもちろん外れ、残念。kolorの店内でとびきりオシャレな青山のファッションショップ的な雰囲気を楽しんだものの手ぶらで帰りました。それにしても世の中相変わらずコラボレーション流行りだなあ。

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金色に輝くコラボレーションウォッチ「G-SHOCK by kolor」。

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ファッション関係者的なお洒落な人たちが続々と来場していました。

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コラボレーション「G-SHOCK by kolor」の特設展示スペース。

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こんな感じで展示されていた。この箱に入ってくるのか?

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kolorの店内のファッションチェック!どれもお洒落ですね。