NY ART リポートVol.14

JOAN MIRO

グッゲンハイムから5番街を下ってニューヨーク近代美術館、通称「MOMA」へと移動して開催中だったJOAN MIRO(ジョアン・ミロ)展を見た。美術の教科書にも登場するこの有名なアーティストは同じく有名なアーティストのピカソと同郷のスペインのカタルーニャ地方出身でありシュールレアリスムの作家である。「Birth of the World」と題されたこの展覧会ではMOMAが所蔵しているミロの作品に加えて他のコレクションからも協力を得た油絵やドローイングなど60点あまりが展示されていた。誰でも一度は見たことがあと思うミロの絵だが子供から大人まで楽しめるその純粋な絵画世界はミロにしか表現出来ない独特の世界だ。僕も大好きな作家だけにとても楽しく見させてもらったし同時に単純に見えて実は見れば見るほど奥深い詩的なその絵画世界に包まれるという幸せな時間を過ごさせてもらった。

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皆が見慣れているミロの絵とはちょっと違う初期の絵である。

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これは有名な作品でありかなり緻密に描かれている傑作だ。

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これぞミロ!という感じの作品である。シュールで詩的。

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ミロを鑑賞する人たち。子供から大人まで幅広く楽しめる絵画だ。

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ベビーカーでミロ鑑賞とは素晴らしい英才教育である。

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なんかすごく可愛らしい。そして無限の生命力というものを感じる。

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絶妙な色と形のハーモニーにしばし立ちすくんで見入る人。

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ドローイングも実に遊び心と創造性に満ち溢れている。

WB4C

期間限定

原宿にあるギャラリーTHE MASSにて3月23日から30日まで「WILTSHIRE BEFORE CHRIST(WBC4)」が期間限定で開催中だ。この展示はUK発のコンテンポラリーブランドAriesのクリエーティブディレクターSofia Maria Pranteraとイギリスを代表するコンセプチュアル・アーティストのJeremy DellerそしてファッションフォトグラファーのDavid Simsが構想から制作まで共同で手がけたプロジェクト。現在ワールドツアー中の展示はロンドン、ミラノを経て東京に来たがこの後はベルリン、フィレンツェへ巡回する予定だという。写真も展示方法もかっこよかったしTシャツとかトートみたいな商品もあったので興味ある方は是非チェック!

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AriesとJeremy DellerそしてDavid Simsの共同プロジェクト。

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手の混んだ展示方法の写真はライトボックスになっていた。

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巨匠ファッションフォトグラファーのDavid Simsによるイメージ。

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古代遺跡のストーンヘッジで撮影は行われた。

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2階では不思議な映像作品も上映していて興味深かった。

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ブランドのシンボルにもなっているスマイルマークのTシャツ。

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色々なTシャツが展示されていた。多分販売もしている?

 

NY ARTリポートVol.13

ロバート・メープルソープ展

グッゲンハイム美術館でロバート・メープルソープ展「IMPLICIT TENSIONS

MAPPLETHORPE NOW」が開催されていたので見に行ってみた。1980~90年代のニューヨークにおいて最も話題になった写真家であり彼のあからさまな生き様もまた伝説的と言えるのではないだろうか。写真はとにかく美しいプリントが素晴らしく花などの静物も鋭く写し撮ったと思えば自分自身も含めて多くの人物も被写体にした。自身がゲイであることも公にして写真でもハードなゲイの世界を包み隠さずに写し撮り続けた。エイズで亡くなるまで写真家として常に緊迫感のある真実の美を追求した写真家であったと思う。今改めて彼の写真を見てもそのプリントが美しく写真としての美しさが際立つがそこに納められたイメージのインパクトはやはりずば抜けていると感じた。

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非常に危ないニュアンスのセルフポートレートである。

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アメリカ国旗をここまでドラマチックに捉えた写真はない。

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リサ・ライオンの強靭な美しい肉体美が見事に捉えられている。

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友人でもあったパティー・スミスのヌード。構図がいい。

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若きアーノルド・シュワルツネッガーのボディービルダー姿。

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当時話題の写真家の一人だったシンディー・シャーマン。

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無表情なアンディー・ウォーホルのポートレイト。

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エイズに蝕まれ死期が近い自身のセルフポートレイト。

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花をここまで美しく撮れるということにショックを受ける1枚。

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グッゲンハイムの会場風景。静寂の中に緊張感ある写真が並ぶ。

NY ARTリポートVol.12

個性的なフェアその2

Armory Showの紹介に行く前に個性的なフェアその2としてSPRING/BREAK ART SHOWについてご紹介したい。今年で8回目となるこのフェアは古い学校の校舎や郵便局などといったタダで使わせてもらえるスペースを使って開催されてきたフェアらしく今回は国連ビルの目の前にある普通のオフィスビルのフロアースペースを会場に開催されていた。お金がさほどかからないのでまだ売り出し中の若手作家やインディペンデントなアーティストなどが参加しやすく彼らにとってはArmory Showの開催されている最中に作品を展示することでNYに集まっているキュレーターやアート関係者にアピールできるチャンスでもあるのだ。作品も意欲的なものが多く、政治的なメッセージが強かったり社会問題を訴えるような作品もあってアメリカの今を生きる作家の表現したいものが見えるアートフェアだと感じた。

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30秒で掴めるだけの金を!巨大なピルケースからお金が溢れている。

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色々な主義などの言葉のシールを自由に選んで貼れるという作品。

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ドナルドトランプも作品になって登場。政治的な作品は多い。

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若者たちが暴動を起こしているのか?それを監視する政府?

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居抜きの状態のオフィスビルのワンフロアーを会場にしている。

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色の感じや形など気に入った絵があった。とても面白い絵だ。

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悪趣味な感じがするツボや絵は意図的にそういう感じに作られている。

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壁の絵とそれを粘土で作った立体作品が対で展示されている。

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不動産のサインを皮肉って書き換えた偽のサインの看板。

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ぼやけた写真にハサミやスクリューや斧が刺さった壁。怖い。

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アメリカンカルチャーをユーモラスにアート化した作品には和む。

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結構お金をかけた大掛かりな展示ブースもかなり沢山あった。

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ブラインドカーテンに絵を描いた?ような作品。なんか綺麗だった。

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謎のパーティ終了的なインスタレーション。制作意図は不明。

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手前に並ぶ壺といいバックの絵といいグチャグチャ感がいい。

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アメリカの一般的な家の写真と家の模型を組み合わせた作品。

NY ARTリポートVol.11

個性的なフェア

今回のニューヨークの目的はArmory Showやギャラリー巡りもあるがもう一つは同時期に開催される個性的なフェアをいくつか見て回ることでIndependentはその一つだ。Independentダウンタウンにある巨大なスタジオビル的な建物を借り切って開催されるアートフェアだ。このフェアではアーティストの個性的な展示が多くギャラリーも既存のアートフェアのようにブースで構えて売る気満々みたいな雰囲気よりももっと自由にやっているように思える。各フロアーに様々な展示が並ぶが会場が吹き抜けになっていたり大きな窓もあるのでとても開放的な環境でアートを見て回ることができる。硬いギクシャクした感じでアートを見るというよりも散歩するような感覚でアートに触れることができるカジュアルさが受けているアートフェアと言える。以下、写真が多いのでキャプションなしでフェアを体験するような感じで眺めていただきたい。

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NY ARTリポートVol.10

様々なギャラリー9

ニューヨークのチェルシー地区にあるギャラリーを紹介してきたが最後にご紹介するのは世界一のギャラリーと言って間違いないGAGOSIANギャラリーだ。ラリー・ガゴジアン氏がソーホーでスタートさせたこのギャラリーも今ではニューヨークに6ヶ所のスペースを持つ他にサンフランシスコ、ビバリーヒルズ、ロンドン、パリ、ジューネーブ、ローマ、香港など世界規模で展開している。所属アーティストもリチャード・プリンス、アンセルム・キーファー、ロイ・リキテンシュタイン、ウィリアム・デクーニング、アルベルト・ジャコメッティ、ダミアン.ハースト、ジェフ・クーンズ、村上隆パブロ・ピカソ、リチャード・セラ、サイ・トゥオンブリー、アンディー・ウォーホル、クリストファー・ウール、ジョナス.ウッドなどなど最高峰のアーティストの殆どが所属するというメガギャラリーである。訪れた時にもチェルシー地区にある二つのそれぞれ巨大なミユージアムのようなギャラリーでは初めて見るがもの凄い大きさの絵画を描くJIA AILIという作家とネオエキスプレショニストのパイオニア的な作家GEORG BASELITZの展示をしていた。GAGOSIANこそ世界の現代アートのマーケットの巨大さを実感させてくれるギャラリーである。

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初めて見るが絵のデカさに度肝を抜かれたJIA AILIという作家。

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遠くが小さく見える広いギャラリースペースはもうミュージアム

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この絵の大きさがわかるだろうか?とにかく馬鹿でかい!

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新しい作家の素晴らしい絵画作品を独り占めで見られるという贅沢。

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宇宙や原子など「創造の源」を絵画作品にしたような感じがした。

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ギョージ・バセリッツの作品は決まって天地逆に飾られる。

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描いた絵の具の上から薄い白っぽい絵の具を吹き掛けたようだ。

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ドローイングももちろん天地逆さまです。

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とても広いギャラリースペースには十分な自然光も入る設計だ。

 

NY ARTリポートVol.9

様々なギャラリー8

PACEギャラリーは世界中にギャラリーを展開するGAGOSIANなどと並ぶ大物ギャラリーである。ニューヨークはもちろんロンドンやジュネーブ、香港やソウル、北京にも進出しているほか、アメリカのIT産業の拠点であるカリフォルニアのパロアルトにもギャラリーをオープンさせたことでも話題になった。まさに世界規模で運営されるこのギャラリーでは日本の奈良美智のような現代アートの作家はもちろんだがいわゆる巨匠と呼ばれるアレキサンダー・カルダーやウィリアム・デ・クーニング、ロバート・ラウシェンバーグイサム・ノグチパブロ・ピカソなどの錚々たる作家も扱っている。今回はKiki SmithとADOLPH GOTTLIEBの展覧会をしていたがいずれも素晴らしい展示だった。大物ギャラリーの一人勝ち時代なんて話も耳にするけど確かにこのスケールに立ち向かうのは並大抵ではない。PACEはプリント専門のギャラリーも持っていて素晴らしい作品のエディションをたくさん扱っていて買うことができるのも素晴らしい。

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Kiki Smithの展示。巨大なブロンズ作品がギャラリーの真ん中に。

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女性作家のKiki Smithは身体的な何かを感じさせる作品が多い。

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うずくまる人のブロンズ作品。レリーフのように作られている。

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タンポポのプリント作品。花などをモチーフにすることも多い。

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崖に木が生えた風景?箱庭のような大きなブロンズ作品だ。

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アメリカンイーグルだろうか、シンボリックな作品である。

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ADOLPH GOTTLIEBは1900年代に活躍したアメリカ抽象表現の作家だ。

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時代を感じる大胆な構図と色使いの抽象表現の作品である。

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まるでミュージアムのような広さのギャラリースペース。

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一筆で描いたような勢いのある画面は緊迫感と迫力がある。

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アメリカの抽象表現が世界を駆け巡った時代だったと思う。

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ブルーとグリーン、そしてブラウンが絶妙な色合いで重なる。