「高く、赤い、中心の、行為」

森村泰昌の作品展

6月9日から7月8日まで恵比寿にあるMEMギャラリーにて森村泰昌の作品展「高く、赤い、中心の、行為」が開催されている。1985年にゴッホの自画像に扮した作品を発表して以来、日本人美術家というアイデンティティーを問いながら西洋や日本の名画の中に自身が入り込むような作品やハリウッドスターなどのアイコニックな存在や政治家などに扮した作品で様々な姿を演じてきた森村泰昌の作品展である。「高く、赤い、中心の、行為」と題されたこの作品展は1990年に「星男」と題した頭を星型に散髪した有名なデュシャンポートレートを基にしたシリーズなど含め過去の作品から新作までパフォーマンスも含めた身体行為を基礎とした作品群の側面を考察するものだという。展覧会タイトルでもある新作は1964年に赤瀬川原平高松次郎中西夏之によって結成されたハイレッド・センターが64年に東京の路上で行った「第6次ミキサー計画」での各作家による「行為」を参照しつつ森村泰昌の地元である大阪の鶴橋で行ったパフォーマンスを写真とビデオに収めたものになっている。今回、MEMギャラリーのあるNADiffの地下のギャラリーでも6月24日まで森村泰昌の新たな試みであるMoriP100プロジェクトも開催されているのでそちらも是非ご覧いただきたい。

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森村泰昌の地元、大阪の鶴橋で行ったパフォーマンスの写真作品。

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「第6次ミキサー計画」での各作家による「行為」を参照。

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森村泰昌は自身のパフォーマンスを写真やビデオに作品として収める。

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マルチプルとは製品以上、作品未満のプロダクトなのだそうだ。

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1アイテムにつき100点制作してセットで木箱に入れて販売する。

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恐ろしいフリーダカーロのTシャツが展示してあった。

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フリーダカーロのコーナー?彼女に扮する森村泰昌の写真がある。

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マルチプルを使ってゴッホの世界が箱庭のように小さく再現できる。

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ウォーホルのファクトリーも小さく再現?マリリンは森村泰昌

 

Archi + anarchy II II II

気鋭の作家達

天王洲アイルにあるギャラリーURANOにて所属作家のグループ展「Archi + anarchy II II II」が開催されている。何れ劣らぬ気鋭の作家達が代表的な作品や新作を披露しているが世界的に評価の高い作家もいて非常にいいグループ展になっている。岩崎貴宏は去年のベネチアビエンナーレの日本代表に選ばれた注目の作家だが、日本建築の五重塔や神社などをまるで水面に映るリフレクションのように上下に伸びるオブジェで作ったりワイヤーを駆使してミニチュアのオブジェを作るなどユニークな作品で知られる。シンガポールの象徴マーライオンを取り囲むように部屋を作りホテルにしてしまうなど大胆不敵な創造力の西野逹も世界的に評価が高い。URANOはペインターからこうした奇想天外な作品作りの作家まで様々なタイプのアーティストを幅広く扱う素晴らしいギャラリーなので機会があれば是非見に行って欲しい。

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岩崎貴宏のなんとも不思議なオブジェは緻密に作られている。

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西野逹の作品は石膏の彫刻を砕いて再構築したシャンデリアだ。

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横山裕一は近未来の世界を描いた漫画みたいな作品だ。

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かなり独特の世界観で圧倒される小西紀行のペインティング。

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ギャラリー内に様々な作品がいい感じに配置されている。

見えない距離を測る

デジタルとリアルの距離

山本現代ギャラリーにて6月9日から714日まで今津景の個展「Measuring Invisible Distance」が開催されている。展覧会タイトル「Measuring Invisible Distance」は「見えない距離を測る」であるが今回の作品の制作テーマがそこにあるのだろう。この作家の絵画では表現力の圧倒的な迫力とねじ曲がって混在しあったイメージの不可解さが見事に作品化されている。作家はパソコンのフォトショップで加工して作ったイメージを絵画に置き換えて描いているというがなるほどそう聞くとこの独特の世界に納得ができた。しかしながらパソコン上で指ツールの操作によって作られた虚構のイメージをキャンバス上に筆と絵の具を持って物質として再表現するという行為は興味深く作家自身もその作業工程で生じるズレを手探りながらどう定着させるか試行錯誤しながら絵画作品として仕上げているようだ。デジタルの時代にリアルであるキャンバスと絵の具を使った絵画作品をいかにして制作していくのかという距離感を図っているのかもしれない。

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ねじ曲がったイメージや断片が混沌と混在する独自の世界。

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デジタルで作られたイメージ世界がリアルに置き換えられ生じるズレ。

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圧倒的な迫力で迫ってくるような絵画作品だと思う。

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毎回大きな作品が多いが今回も大作が展示されていた。

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非常に卓越した絵画のテクニックが表現を可能にする。

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様々な歴史や時代のものからのイメージの引用が多い。

 

知覚された色彩

色彩の力

6月9日より7月7日まで天王洲アイルにある児玉画廊にて鈴木大介の展覧会「Perceiving 」が開催されている。「Perceiving 」とは「知覚する」という意味だがなるほど作家によって知覚された色彩の力を大いに感じる抽象画だ。抽象画というのは個人的にとても好きな絵画なのだが抽象的に描かれた絵にはごまかしも効かないし瞬時にセンスがあるかないかがわかるものだと思っている。どんなに頑張ろうがそういう問題ではなく才能が本物か否かは絵から自然に滲み出てくるというか見れば分かってしまうものだと思う。そういう意味でもこの作家は才能に恵まれているしそういう人が抽象画という表現に真摯に向き合った果てに結果として見出した鮮烈な色彩や大胆な画面構成、流れる線などは気持ち良いほど力強く見るものに迫ってくる。まだ若い作家だと聞いたが今後がとても楽しみだと感じた。

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絵の具の垂れと横に走る線の面白さが印象的だ。

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抽象的な表現では下手なごまかしなどは一切効かない。

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これも絵の具の垂れを使った表現だが色彩に才能がある。

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美大の卒業制作だったというが抽象画の素晴らしい大作である。

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ただひたすら真摯に画面に向き合って抽象表現に挑む。

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絵の具を塗ってはわざと流れ落として絶妙な動きを捉える。

 

蜜と意味

時間を紡ぐ

天王洲アイルにあるKOSAKU KANECHIKAギャラリーにて沖潤子の展覧会「蜜と意味」が721日まで開催されている。以前に開催されたグループ展でも見た作家だが今回は個展で広いギャラリースペースをうまく使って新作12点を展示していた。作家は古い布やボロが経てきた時間やそれらが語る物語の積み重なりに刺繍と自身の時間の堆積を刻み込み紡ぎ上げることで新たな生と偶然性を孕んだ作品を完成させる。まるで時間を紡ぐように古い生地の上に作家が施す信じがたいほどに細かく複雑に編み込まれた刺繍、それを石鹸で洗うと蓄積していた汚れが落ちたり色が抜けたりして針目は独自の色に染まってゆく。古い布の持つ歴史に作家の施す刺繍などの手が加わり新たな生命を宿した作品へと昇華する様にはどこか「生み出す」という女性ならではの性を感じずにはいられない。繊細かつ強靭な表現からは生きるということの真理が見え隠れしているようでもある。

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古い布に細かな刺繍が無数に縫い込まれている作品。

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古い木の箱の中、古い畳のような背景に作品が配置される。

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無数の刺繍を施したのち古い布を石鹸で洗ったりもする。

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ギャラリーのスペースを効果的に使った展示も良かった。

POOL PARTY

ジャン・ピゴッツイ個展

Kaikai Kiki Galleryにて開催されているジャン・ピゴッツイの個展「Charles and CHARLES AND SAATCHI THE DOGS JEAN PIGOZZI」と同時開催している天王洲アイルにあるSCAI PARK の「POOL PARTY PHOTOS BY JEAN PIGOZZI」展をギリギリ見に行けた。80年代からニューヨークの社交界などで数々のセレブリティー達と一緒に自撮りし続けていたりするユニークな写真家でもあるのだがSCAI PARK の「POOL PARTY PHOTOS BY JEAN PIGOZZI」展では著名人達の集まる自宅でのプールパーティーを撮影している。ヌードで泳いだりと普段は高価な洋服に身を包んでいるであろうセレブ達が人前では見せないプライベートな瞬間が見事に激写されている。16日までなので見たいという方は天王洲アイルのSCAI PARKへ是非お急ぎください。

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自宅でのパーティーなのでヌードで泳ぐセレブもいる。

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裸で豪快にプールに飛び込む。人魚柄の壁紙も可愛らしい。

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ハリウッドセレブ、シャロン・ストーンもポーズ!

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知人と戯れるミック・ジャガーもプライベートな顔だ。

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大きな浮き輪でくつろぐセレブを激写!びっくりしている。

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ギャラリーには映像のインスタレーションもあったりした。

CANCER

大胆な試み

外苑前にあるギャラリービルEUKARYOTEにてアートオーガナゼーション「CANCER」による展覧会「THE MECHANISM OF RESEMBLING」が7月1日まで開催中だ。美術評論家の花房太一の呼びかけで2016年に結成されたCANCERは5人のアーティストと一人のパートナーで構成される。西洋のファインアートを東洋的身体によって突き崩し、ルネッサンス以来の新たなパースペクティブを獲得することを目指すという大胆な試みがこのアートオーガナゼーション「CANCER」の目的だという。今ある世界とは別の世界を創造するためにいくつもの計画やプロジェクトを多数進行させているという「CANCER」だが今回が初の展示となる。EUKARYOTEのギャラリー内はもちろん外壁まで変えてしまった展示はアグレッシブで斬新だ。アートを武器に攻める姿勢を前面に押し出すこのアートオーガナゼーション「CANCER」、今後の活動も非常にきになる。

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ギャラリーの1階を占拠した大胆なインスタレーション

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ギャラリー2階ではコンセプチャルな作品展示が目立った。

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2階に展示されている平面作品。ガムで壁に貼り付けてある。

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どうやらガムがテーマ?のような展示の写真作品。

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これもガムのようなものがへばりついた平面作品。

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3階では聴診器片手にひたすら肉を叩く全裸の男の映像が流れる。

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赤いペンキがドバーッとかけられてしまったギャラリービルの外壁。