多彩なアート満載

合同オープニング

六本木のギャラリービル「complex665」にて9月9日よりビル内に3つある全てのギャラリーで新しい展覧会が始まった。合同オープニングしたのは3階にあるタカ・イシイギャラリー東京と2階にあるShugoArts、そして小山登美夫ギャラリーだがそれぞれのギャラリーが多彩なアート作品を展示している。

 

それぞれ個性的

まず3階のタカ・イシイギャラリー東京だがこちらでは初の個展となる野口里佳の写真展「海底」が展示された。ベルリンから帰国して活動拠点を沖縄に構えた作家が沖縄の海で水中撮影した作品が展示されている。2階のShugoArtsではイケムラレイコの立体と絵画が展示されているがアートの真髄を追求する作家の制作アプローチはギャラリー内にて動画やインタビューでも見ることができる。小山登美夫ギャラリーサイトウマコトの絵画展が開催されているが凄まじい労力と気力で描かれたというよりも蓄積されたような絵画は見応え十分である。1点が数千万円もする巨大な絵画のほとんどが売れているというのにも驚いた。合同オープニングは一度に様々なアートに出会えるチャンスなので是非お出かけください。

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小山登美夫ギャラリーでのサイトウマコトの展覧会より。

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サイトウマコトの絵は抽象画のようだがよく見ると人の顔である。

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描いてはシルクを刷り込んでまた描くの繰り返しで完成するそうだ。

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イケムラレイコの立体作品はなんとも可愛らしくもある。

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独特の色彩とかすれ具合のイケムラレイコの絵画作品。

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ShugoArtsでは作家の作品展示以外に制作風景の動画なども観れる。

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青い中に浮かび上がる野口里佳の海底の写真は幻想的である。

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ギャラリー巡りの最中にお友達とばったり会って立ち話だろうか?

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タカ・イシイでは写真家の作品を数多く取り扱っている。

 

空想劇場

不思議な世界

9月25日まで渋谷ヒカリエの8/ART GALLERY/TOMIO KOYAMA GALLERYにて笹岡由梨子の展覧会「Command X」が開催されている。初めて見る作家だが、「絵画軸映像」という独自のアプローチで映像と絵画の接点の表現を模索する作家だという。CGや映像の技術が進化している現在において「手の痕跡「または「手触り感」のある映像作品を制作するのだがまるで一昔前のSFXのようなぎこちない映像表現は知っているようで知らない不思議な世界を展開する。

 

Command Xとは?

今回の展覧会は作家が愛犬の「死」をきっかけに読み始めた「聖書」を独自に解釈し視覚化したものだそうで展覧会タイトルの「Command X」は聖書の「十戒」とMacのショートカットキー「コマンドキーとX」の二つの意味を持っているのだそうだ。海外と違って宗教観の薄い日本人である作家が「世界の人と繋がっている感覚」から生まれた独自言語「ホロル語」によって構成される会場は非現実的現実を表し独自の空間となっている。なんとも不思議な作家と作品は面白いしある意味世界共通の表現を模索しているようにも感じた。

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不思議な動物のいる映像は是非会場で動きを見て欲しい。

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世界と繋がるような感覚と独自言語など独特の世界。

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空想劇場の架空の物語は数々の絵や図解で示される。

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作家が独自に開発した言語「ホロル語」による作品。

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アナログチックな懐かしいような独特な映像作品は面白い。

 

テーマは食

話題の中目黒高架下

10月9日まで中目黒の高架下にあるartless appointment galleryで開催している展覧会「#QOL collaboration with KINFOLK Japan」のレセプションに行って来た。蔦屋を始め沢山の飲食店や店がオープンして話題の中目黒の高架下だがartless appointment galleryもその一角にある。手前がコーヒーショップで奥がギャラリースペースのお洒落な店内だが今回はギャラリースペースでの展覧会となった。

食を分かち合う

KINFOLKといえば2011年に創刊された人気のライフスタイル誌で今や全世界100国以上で販売されているという。QOL(クオリティーオブライフ)をコンセプトに洗練されたデザインと美しい写真で豊かなライフスタイルを提案して来たKINFOLKだが秋号のテーマは「食を分かち合う」である。ギャラリーには人生における最もシンプルな楽しみの一つであるこのテーマに沿ってKINFOLKが表現する写真6点が展示販売されKINFOLKのバックナンバーも販売されている。それぞれがとても美しいプリント作品なのでKINFOLKの世界観を体験したい方は是非artless appointment galleryに足を運んでみてはいかがだろうか。

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食/ファッション/アートの融合がテーマの一つだ。

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美しいプリントだがよく見るとゴーヤや貝殻などの組み合わせ。

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KINFOLKらしい素敵な写真はエディション5で販売している。

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絶妙なバランスでスタイリングされた写真はお洒落だ。

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ギャラリーの真ん中にあるテーブルではKINFOLKも販売している。

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レセプションには沢山のKINFOLKファンが集まっていた。

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プリントはC printでサイズは750X1000mmと大きめだった。

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ギャラリーの手前にあるカウンターのあるコーヒーショップも人気。

アート満載のコンプレックス

合同レセプション

9月の2日に天王洲アイルにあるTERRADA Art Complexにてギャラリーの合同レセプションが行われた。3階にあるURANO、山本現代、Yuka Tsuruno Gallery、児玉画廊、そして5階にあるKOSAKU KANECHIKAとSCAI PARKにてそれぞれオープニングがあったがどのギャラリーもそれぞれに個性的な展示を見せていて大変に興味深い。天王洲アイルは少し遠いがこれだけまとまった量のアートを一挙に見れるので出かける価値はあると思う。

 

意欲的な新作の数々

3階にあるURANOでは独特の描き方が印象的な画家Toshiyuki KONISHIの新作展、児玉画廊では貴志真生也のインスタレーション作品展、Yuka Tsuruno Galleryではmamoruのビデオ作品、そして山本現代ではKosuke NAGATA、Ushio SHINOHARA、UJINO、Naohiro UKAWAのグループ展が開催された。また5階のKOSAKU KANECHIKAでは沖潤子と安野谷昌穂の2人展、SCAI PARKではギャラリーコレクションよりKohei NawaやKishio Suga、Toshikatsu Endo、Lee Ufanなどのそうそうたる顔ぶれの作品が展示されている。会期はギャラリーによって多少異なるので見に行く際には事前に確認していただきたい。

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Toshiyuki KONISHIの新作はますますパワーアップしていた。

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ギューちゃんことUshio SHINOHARAのパンチ炸裂ペインティング。

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貴志真生也のインスタレーションは不思議な儀式風景のようだ。

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沖潤子と安野谷昌穂の2人展は面白いマッチアップで展示もいい。

テクノガーデン

ペインティングと映像

9月1日から10月5日まで外苑前のMAHO KUBOTAギャラリーにてブライアン・アルフレッドの新作展「TECHNO GARDEN」が開催されている。ブルックリンを拠点に制作活動をするブライアンはアートを飾った新幹線「現美新幹線」内にアニメーション作品を設置したことで話題になった作家だ。今回の展示でもペインティングの他にアニメーション作品も展示していたがペインティングの世界が動く感じのアニメーション作品はとても面白かった。

 

日本好きな作家

ブライアンの作品はペインティングにおいてエドワード・ホッパーアレックス・カッツといったクラシックなスタイルのアメリカンペインターの流れを汲んでいる気がする。シンプルに表現される線と色の面の構成で作り上げる景色はどこか懐かしくアメリカのカルチャーの色を放っているような絵だと思う。一方、日本が大好きで毎年来日するという彼はアニメーション作品に日本の風景を登場させる。それは去年の半年間、浦安市に教師として滞在した時に見た浦安近辺の風景だが立ち並ぶ大きなビルや倉庫とその建物の中が一体どうなっているのかを妄想した景色だ。なぜかとても和む絵と日本の風景のアニメーションを是非見にいっていただきたい。

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日本の高速道路だというがどこかアメリカの風景っぽい。

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ちょっと抽象的な絵もあってなかなか興味深かった。

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斜めから日の当たるパーキングを線と色の面で見事に表す。

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上空から見下ろした住宅街の風景はのどかでアメリカっぽい。

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夏の午後の日差しか?スクリーンとヤシの葉のシルエット。

アートな鮨屋

「よしい」が移転

六本木でhiromi yoshiiギャラリーを運営するヨシイヒロミさんが東麻布に鮨屋をオープンしたのは2年ほど前のこと。真っ暗な店内に荒々しい木のカウンター、スポットライトに浮かび上がる現代アートが飾られた空間は異次元といった趣だった。その鮨屋「よしい」が六本木のhiromi yoshiiギャラリー1階に引っ越したと聞き早速伺った。

 

真っ暗は変わらず

今回も内装は谷尻誠氏、入口を入るといきなり暗いトンネルのような廊下があってそこを通って中へ入るという仕掛けだ。店内の壁は角を丸くしてあってその上に全て黒く塗装しているので今回のお店も真っ暗は変わらず、というかさらに暗くなったかもしれない。寿司屋で暗いというのは普通ありえないが吉井さんの遊び心は今回も徹底している。壁には杉本博司の写真が飾ってあり現代アートに囲まれて寿司を食べるというコンセプトも変わっていない。紹介制らしくどうやって予約するのかなどは分からないのでご了承ください。

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鮨屋とは思えないほど暗い店内。壁には杉本博司の水平線の作品。

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まず前菜が色々と出てくるが一品一品どれも芸術的な美しさ。

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黒田泰蔵の器を始めアートのような様々な器も厳選されている。

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握りはとにかく美味しいのはもちろん、見た目にも美しい。

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最後の方に出される鮪の握り。中トロで口の中で溶ける味わい。

陶芸と現代美術

村上X日比野

村上隆さんのギャラリー「カイカイキキ」で8月30日まで開催中の展覧会「陶芸↔︎現代美術の関係性ってどうなってんだろう?」で村上隆日比野克彦トークイベントが開催されたので観にいって来た。この展覧会は村上さんがバブル以降の生活工芸系の陶芸の収集をする中で現代陶芸を取り巻く環境に関して現代美術との絡みがあったのではとふと思ったことがきっかけで企画されたのだという。

 

もの派以降

近年再注目されている1970年代の「もの派」から2000年に村上さん自身が発明した「Superflat」の間の80年代90年代の日本にはどんな美術芸術運動があったのか。バブル経済に入った日本が西武セゾン系の文化事業など経済力に物言わせてバンバン走らせた数多くのムーブメント、そのバブル経済日本の中心で活躍したアーティストである日比野克彦氏を招いてこのテーマの核心を話すというのがトークの趣向だった。日比野さんとは80年代から友達でニューヨークでも色々と遊んだりしたし、日本を捨てて北米に進出した村上さんもその当時から知っているので僕個人としては懐かしくもありとても面白いトークだった。しかし、自分自身のデビューに知恵を絞って「Superflat」という発明を掲げた村上さんならではの時代の検証欲というか、分析欲のような熱意には恐れ入るばかりである。

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1980年代の日比野克彦氏のダンボールを素材に使ったアート。

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ギャラリーには陶芸品や80年第90年代のアートが展示された。

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陶芸品の数々と中原浩大の「髪」と題されたペインティング。

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こちらはやはり中原浩大の90年代の作品「アニス」

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沢山の人で埋め尽くされたトーク会場。左に日比野克彦氏、右に村上隆氏。