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地底の雲

山本桂輔2年ぶりの展覧会

6月26暇で渋谷ヒカリエ小山登美夫ギャラリーにて2年ぶりとなる山本桂輔の展覧会が開催されている。前回の展覧会の際に小さな焼き物のオブジェを買わせていただいたのだがあれからもう2年なのだと思いつつ見に行ってみた。絵画と彫刻、そして捨てられていた物を再利用して作ったオブジェなどこの作家の制作活動は多岐にわたる。

 

不思議な魅力

今回の展覧会タイトル「地底の雲」からして不思議な名前だが彼の作品には夢の中で見た景色のような不思議な魅力がある。植物、鉱物、天候やその他の自然界の現象、それに誘発される人間の想像力、抽象と具象、意味と無意味が一つになって独特の世界を繰り広げる。見える物や見えない物、記憶に残るものや想像したものなど様々なイメージが彼によって語られる様子を見るのは毎回楽しみである。大きなオブジェや物語を感じさせるインスタレーションなど展示にもいろいろな工夫がなされているので是非見に行って欲しい展覧会である。

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ギャラリーの真ん中にドーンっと置かれた巨大な彫刻。

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見れば見るほど不思議な世界のオブジェたちが配される。

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物語を感じさせるような配列を見せるインスタレーション

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絵の方も同じく不思議な世界だが、色使いなど実に魅力的だ。

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全て木彫りで作られているオブジェのような彫刻。

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床ギリギリに配されたオブジェとそこから横に伸びるスケッチ。

 

 

アート満載!天王洲アイル

 

合同オープニング

天王洲アイルの寺田倉庫に生まれたギャラリーコンプレックスで合同オープニングが開催された。最初に3階にオープンした山本現代、URANO、Yuka Tsuruno Gallery、児玉画廊に加えて5階にもKOSAKU KANECHIKAとSCAI THE BATHHOUSEのコレクション展示スペースもオープンしてこのギャラリーコンプレックスは東京における現代アートの見逃せない場となった。

 

それぞれ個性的な展示

今回の展示は絵が多くて絵画好きの自分としては非常に興味深かったしそれぞれ個性的な展示だった。まず、3階のURANOでは衣川明子の新作の展示があったがかすれたような独特の表現にさらなる色の深みも加わった絵は不思議な魅力に溢れていた。山本現代は人気作家のできやよいの新作だが根気の塊のようなこの人の絵にはいつも驚かされる。Yuka Tsuruno Galleryの松川朋奈の超リアルなペインティングは素晴らしい存在感だった。児玉画廊では関口正浩の新作が展示されていたが白と黒のストイックな抽象画は新しい表現でパワフルだ。5階のKOSAKU KANECHIKAでは佐藤允の絵画作品が展示されていたが精密に描かれた鉛筆のスケッチや私情をあからさまに描き出したような大胆な絵画はこの作家の将来を楽しみにさせてくれる。SCAI THE BATHHOUSEには村上隆からアニッシュカプーアまで名作が展示されている。天王洲アイルはちょっと離れているけどここまで沢山のアートを一気に見れるのであれば出かける値打ちがあると思う。

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URANOで展示された衣川明子の新作は危うい感じの絵だ。

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できやよいの展示は絵画の他にインスタレーションもあった。

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児玉画廊での関口正浩の新作は白と黒の抽象的な絵だ。

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Yuka Tsuruno Galleryの松川朋奈の超リアルなペインティング。

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KOSAKU KANECHIKAでは佐藤允の絵画展覧会タイトルは「求愛」

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SCAI THE BATHHOUSEでは村上隆など名作が展示されていた。

 

 

レコードアート

 

ユニークな企画展

知り合いのアーティストの井内宏美さんが代沢にあるQUIET NOISEというギャラリーで開催されるグループ展に参加するということで見に行ってきた。デザイナーのYASUDA PIERREさんがキュレーションした13人のアーティストたちによるこのグループ展、”PIERRE RECORDS”は作品を12インチというレコードのサイズでエディションを作り作家のサインを入れて販売するというユニークなアイデアの企画展だった。

 

アートを広めるために

ギャラリー内には作家の作品も展示されているがその反対側の壁にはレコードサイズの作品も展示されている。ギャラリーの真ん中にあるテーブルにはエディションで販売されるレコードジャケットになったアートが置かれていて作家がサインをしている最中だった。アートをそのまま売るのではなく買いやすいレコードジャケット仕様にして売るというアイデアはアートをより手軽に楽しんでもらって広めるための工夫なのだそうだ。値段も8,000円と手軽だからアート作品を買うよりも抵抗なく買うことができるし作家もより多くの人に自分の作品をレコードジャケットという形で持ってもらえるのはいいことだと思う。興味のある方は6月5日までの開催です。

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レコードジャケットのサイズで展示されている作品。

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色々な作家の作品があってそれぞれの表現が面白い。

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井内さんの新作はOblivion(忘却)というシリーズ。

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レコードジャケットのエディションに作家がサインをする。

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エディションが沢山あるのでこれならアートとして買いやすい。

 

www.quietnoise.jp

 

BIOTOP Gallery Shop

ヒロミヨシイキュレーション

白金にあるBIOTOPにて6月18日まで期間限定のポップアップショップが開催されている。知人でありギャラリストの吉井さんによるキュレーションで誕生したこのBIOTOP Gallery Shop by hiromiyoshiiでは吉井さんのコレクションしているバカラクリスタルやアンティーク、食器類、限定アートや篠山紀信氏による写真「晴れた日」シリーズのエディション、そして篠山紀信とのコラボレーションTシャツやトートも販売している。

 

アートをもっと身近に

BIOTOPといえばファションのセレクトショップはもちろん、スキンケア的な商品やオーガニックタオル、そして併設のグリーンショップでは様々な緑を取り揃えている。3階のレストランもいつも人気でファション以外のライフスタイル全般を楽しめるお店だが今回の企画はそこにアートという新たな要素を取り入れたものだ。暖かくなってきて外に出るのも楽しい季節、散歩がてら是非見に行って欲しい。

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篠山紀信氏とのコラボレーションTシャツとトートバッグ。

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杉本博司氏の映画館の写真にアンティークの像。

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テーブルには食器やバカラ、壁には「晴れた日」のエディション。

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様々なアンティークやバカラ江戸切子など素晴らしい品物ばかり。

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篠山紀信氏による近作の迫力あるFOODの写真。

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Tシャツはどれも人気で色違いで買う人もいるとか。

 

OBSCURA

浮かび上がるイメージ

原宿にあるギャラリーターゲットにロッカクアヤコさんの展覧会を見に行った。人気作家とはいえ初日でほとんどの作品が売れていたのには驚いた。ちょうど昨日ZOZOTOWNの前沢社長がまたもやバスキアを今度は123億円で競り落としたことがニュースになっていたが日本の作家もどんどん買いましょう!さて、OBSCURAという今回の展覧会、絵画作品もあるが新しい試みとしてアクリル板に絵を描いている作品があった。6枚ほどのアクリル板に絵を描いてそれらを圧着することで浮かび上がるようなイメージになるのだ。

 

浮遊感と重量感

いつも自分の中に浮かび上がるイメージを殴り書きのような勢いで描くのが特徴的なロッカクアヤコさんだがその勢いはそのままにアクリル板の中に不思議な浮遊感と重量感を兼ね備えつつ表現された作品はユニークな試みで面白かった。立体絵画とでも呼ぶべきか、このアクリルの作品は正面からも横からも裏からも見えるのが特徴的で見る角度によって様々な表情を映し出す。

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ロッカクさんだけに六角形にアクリル?形も可愛い。

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イメージが重なり合って不思議な浮遊感を醸し出す。

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沢山の新作が展示されていたがほとんど売れていた。

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人気の絵画作品もたくさん出展されていた。色使いもきれいだ。

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思わず笑顔になるようなユーモアのあるスケッチなどもあった。

 

 

ピェール・アルディ写真展

仕切りのような展示

5月22日まで南青山にあるPIERRE HARDYの旗艦店地下にあるスペースで”WALK WITH PIERRE HARDY”という写真展が開催されている。レセプションには多くの人が訪れていてスペース内に仕切りのように配されたユニークな写真の展示に目を奪われていた。

 

コラボレーションで実現

エルメスのシューデザインも担当するデザイナー、ピェール・アルディだが今回はフランスの著名フォトグラファーであるフィリップ・ジャリジョンのディレクションのもとスイスの名門美術大学「ローゼンヌ美術大学」で 写真を専攻する学生たちとコラボレーションしてこのユニークな展示を実現させた。写真を壁に飾って見せるという単純な展示ではなく空間全部を使ったとてもクリエーティブかつスタイリッシュな写真展の構成は大胆で面白かった。

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仕切りのような迷路のような中、写真イメージが交錯する。

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小さな女の子もおしゃれしてレセプションに来ていた。

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写真のスタイリングやアイデアがとてもクリエーティブだ。

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今回の展示を記念して作られた写真集も素敵だった。

ヒロシマカラー

企画展で出会った作家

6月27日までMAHO KUBOTA GALLERYにて古武家賢太郎の個展「ヒロシマカラー」が開催されている。古武家君と最初にお会いしたのは15年ほど前のこと、当時中目黒にあったSPACE FORCEというカフェギャラリーのディレクションをしていた時に企画したグループ展だった。「DRAW BY HAND」という企画展はパソコンが出始めたその頃に「手で描かれた」作品を集めたグループ展で参加アーティストの1人が古武家君だった。その当時から色鉛筆を使って丹念に重ね塗りするような技法で作品を描いていたのを記憶している。

 

常に進化する作家

その後、描く対象の表現がどんどんユニークになっていったが、古武家君にしか描けない色鉛筆を使った描き方とそこに描かれる奇妙にデフォルメされたキャラクターの面白さにはますます磨きがかかった。SCAI THE BATHHOUSEという素晴らしいギャラリーもついて10年ほど前に開催された個展ではエンベロープシリーズという封筒の裏などに絵を描いたシリーズを1点購入した。その辺りから古武家君はロンドンに暮らしながら制作活動をしているが今回は久々の個展となった。桜の木に描いたという新作は色彩豊かで素晴らしい作品となっているが故郷の広島に出来た蔦屋の中の壁画を描く為に来日して制作している間に同時に制作したシリーズなのだという。これからにも更に進化し続ける古武家君の活躍に期待したい。

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色彩が素晴らしいがタオルに血が付いていたり毒気もある。

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海外の封筒などの裏に絵を描くエンベロープシリーズの新作。

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もこもこしたこれはいったい何か?色使いが素敵だ。

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招待状にも使われた男女の姿の絵には不思議な魅力がある。

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今回はこんな不思議なオブジェも制作、常にチャレンジしている。

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木なのだろうか、しかし目があってとてもチャーミングだ。

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人物の大胆なデフォルメは古武家君の真骨頂である、猿も良い感じ。

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今回一番の大作は3つの木のパネルを繋いでいる。