森田恭通写真展

ライカギャラリーにて開催

1月19日から4月7日まで銀座にあるライカギャラリーにて森田恭通氏の写真展が開催されている。人気インテリアデザイナーとして世界中で仕事をする森田氏が写真家宣言をして約3年になる。白色陶器のような質感と緩やかな曲線美を追求したポーセリンヌードのシリーズをパリフォトで発表して以来、写真家森田恭通として活動を始めたのだが去年は写真集も発売して作家としての道のりを着実に歩みつつある。

 

新作はヌードと花

森田氏の写真はライカを使って撮影されプラチナやシルバープリントといった今ではあまり主流でないプリント方法にこだわって制作される。その大胆な構図やミニマルに切り取られたヌードのイメージも素晴らしいが黒から白へと移り変わるグレーのグラデーションが実に美しくプリントにこだわる写真の「モノ」としての存在感が力強く迫ってくる。今回もポーセリンヌードを発表したが特筆したいのは同時に発表された「Black Flower」と題された一連の花の写真である。今まで見たことのない陰影と形で撮影された花々の孤高の存在感と艶めかしい生命力は注目すべき作品で度肝を抜かれた。開催期間も長いので是非ご覧いただくことをお勧めします。

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輝くような花の美しさは今まで見たことのないイメージだった。

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白と黒、グレーのグラデーションが描き出す美しい写真。

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静けさの中で佇む花の可憐さが感じられるイメージだ。

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花束の構成の良さ、力強さなど非の打ち所のない作品だと思う。

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花のシリーズは非売品で今回はヌードのシリーズをブック形式で販売。

常盤の部屋

「SIDE CORE」結成メンバー

2月3日まで西麻布にあるSNOW Contemporaryギャラリーにて松下徹の展覧会、開閉しろ都市Part2「常盤の部屋」が開催されている。初めて行くギャラリーで初めて知る作家だったが、松下徹さんは以前に活動を知ったアーティストコレクティブ「SIDE CORE」を2012年に高須咲恵さんと結成したということでその繋がりで案内が来たようだ。インビテーションにあった非常にラディカルな線と色の組み合わさったコラージュのような作品のインパクトに是非見に行こうと思った。

 

常盤という場所

松下徹さんは高校時代をアメリカで暮らしアメリカ文化の特にストリートカルチャーやグラフィティカルチャーに大きな影響を受けたという。日本に戻って芸大で制作活動を続ける中、ふと思考の中心がアメリカからスタジオを持つ常盤という日本の「つまらない郊外」にシフトしてしまったことに気がつく。振り子を使って製作される作品は場所や時間軸のズレを表しながら作品化されるがアメリカと常盤の地理的なズレが作品化されたという感じがする。また、素材に廃材などの板を使って描かれた振り子のイメージはバラバラにされて再構築されている。道で見つけた木の板切れの裏に潜む時間なども作品の制作を通して探るという一面もあるのだという。アメリカと日本のなんでもない街をズレによって結ぶ作品にはどこか冷静であるとともに強いインパクトも感じる。

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振り子によって刻まれた線が複雑に入り組んで新たなイメージになる。

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作品として再構築された振り子の線には強いインパクトがある。

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板の切れ端に描かれたイメージが再び繋げられ作品になっていく。

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異なる動きが画面に再構成されて面白い作品イメージを作リ出す。

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振り子が描く曲線が様々な形に切り刻まれ作品に落とし込まれる。

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ギャラリーの壁の隅に作られた作品もとてもユニークな仕掛けだ。

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なんとなく未来的でもあるイメージの渦は強烈なパワーを放つ。

SNOW Contemporary | TOP

新しい水墨画

アートを旅する

116日より2月24日まで僕もディレクションで関わりのある青山のアートサロン「SCENE」にて水墨画家、土屋秋恆氏による展覧会「La Mer」が開催される。”Art for your Voyage”「アートを旅する」をテーマに企画された展覧会シリーズ第2弾の本展覧会の様子を一足早くお届けします。

 

古典と前衛

土屋さんは古典的な水墨画を学んだ後に独自に編み出した前衛的ともいえる新しい技法を取り入れて誰も真似できない独特の表現を確立した。古典的な筆の表現以外にも板やシルクスクリーンを使ったり、霧吹きなど様々な技法を織り交ぜて全く新しい水墨画の世界を築き上げた。今回は海をテーマに様々な新作を描き下ろししていただいたが波に向かってサップしてる絵などとてもユニーク。また掛け軸にモダンな水墨画を描いているシリーズも面白い。「SCENE」は招待制だが毎週木曜日の14時~20時はPUBLIC DAYとしてオープンしているので興味のある方は是非みに行ってみてください。

scenetokyo.com

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墨とシルクスクリーンで表現された波に向けてサップする人の絵。

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波に乗るサーファーと波街の風景を斬新な掛け軸にした。

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海の上には夜の月、月の真ん中には飛行機のシルエット!

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RIDEシリーズ、一筆で描かれた波に優れた水墨画の筆致が光る。

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海の手前の浜辺か、砂浜の上をカモメが飛んでいる。

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アートサロン「SCENE」の内観風景。ゆったりとアートを観れる。

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ズラリと並んだ掛け軸はモダンなイメージを水墨画で表現している。

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カリフォルニアにある海の近くの滝の風景を水墨画で描いた大作。

 

DAY IS DONE

自由のための見世物小屋

今回「DAY IS DONE 自由のための見世物小屋」展でお目見えしたマイク・ケリーという作家の作品を初めて見たのは1990年代初めだっただろうか。NYのギャラリーですごく不思議な古いぬいぐるみを使ったインスタレーションを見たのが最初だったと思う。毛糸を編んだアメリカっぽい毛布の中にぬいぐるみが潜む気配の盛り上がりがあって、反対側にはETのぬいぐるみが置かれているような感じのインスタレーションだったと思う。他にも様々な古いぬいぐるみを使ったアメリカンキッチュといった感じのインスタレーションがギャラリーの床一面に展開していたのを記憶している。

 

ワタリウムにて開催

1月8日から3月31日まで外苑前にあるワタリウム美術館にてマイク・ケリー展が開催されると聞いて早速見にいってみた。マイク・ケリーは先に述べたぬいぐるみを使ったインスタレーション以外にも絵画、コラージュ、オブジェクト、ビデオ、パフォーマンスなど多岐にわたる表現方法でアメリカの抱える闇の部分を時にユーモラスに、時に不気味に描き出した天才的な作家だ。アート界の闇の帝王ともいうべきケリーはマイノリティー差別や暴力、性などを題材に痛烈な作品を作り続けたが残念なことに2012年に亡くなってしまった。ワタリウム美術館ではこの展覧会を皮切りに複数回のマイク・ケリー展を開催するそうで楽しみだ。ビデオインスタレーションなどは見るのに時間がかかるのでお時間のある時に是非!

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ケリーのルーツであるアイルランドの神話のバナーが垂れ下がる。

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DAY IS DONEは「課外活動再構成」シリーズ#2~#32の総称だ。

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延々と並ぶピンクのタンクトップもなんだかわからなくて不思議?

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写真作品とビデオ作品を一緒にうまく展示構成している。

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ビデオに現れる様々な不気味な人々がアメリカの闇を描く。

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エクトプラズムを吐き出す自らの写真作品。怖いイメージだ。

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インディアンの娘をイメージに使ったバターの絵は性的シンボル?

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どこか錯乱していて狂ったような緊張感を感じる絵だ。

 

勝手に海鮮丼

勝手にベスト10

まだまだ正月休みの方も多い中、年始ということでアート系の話も少ないしここはお正月らしく「めでたい」系の話を一つ。全く個人的に寿司屋の海鮮丼にかなりハマっていて多い時で毎日、少なくても週2〜3回は海鮮丼ランチをしています。食べた海鮮丼はもちろん写真で抑えてインスタにアップしてるので最近は友人に会うと「海鮮丼ばっかり食べてますね」と合言葉のように言われます。インスタといえば海鮮丼は四角い時も稀にあるけどほとんど丸い器に入っているのでいわゆる「インスタ映え」します!また、後で思い出せるように「#タナログ」というタグで食べた海鮮丼をタグ付けしているのでどんな海鮮丼を食べてきたかも振り返れる。「振り返ってどうするんだ!」というところですが。さて、ではなぜ海鮮丼が「めでたい」系なのかというとこれも全くの持論ですがとにかく色々と詰まっててなんか豪華な海鮮丼って「めでたい」気分じゃないですか?マグロやたまご、ウニにエビといった煌びやかなラインナップの上にいくらが惜しげも無く散りばめられたゴージャス感!またはバラちらしのようにキラキラと輝く姿はまさに「海の宝石箱」といった雰囲気。このような理由で僕にとって海鮮丼は「めでたい」食べ物なのです。ということで去年食べた海鮮丼の勝手なランキング「海鮮丼ベスト10」をお送りします。(やっとタグ付けが役に立った!)

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1位、西麻布の「さかな」の三色丼。とにかくさかながうまい!

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2位、入船寿司のちらし寿司。マグロの有名店はチラシも美味い。

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3位、すし好中目黒店の特製鉄火丼。このボリュームが素晴らしい!

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4位、広尾の江戸っ子寿司のブルースリー丼。青魚3種でこの名前。

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5位、中目黒いろは寿司のバラチラシ丼。ウニ、カニ、イクラ〜!

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6位。中目黒すし好の特製バラチラシ。これぞ海の宝石箱!

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7位、すしざんまい自由が丘店の本マグロ丼。本マグロは美味い!

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8位、中目黒すし好の特製鉄火丼。マグロの赤みがたっぷり!

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9位、中目黒の高架下にある寿司屋の磯松にて海鮮ちらし丼。

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10位、自由が丘の回転寿司、元禄寿司の季節の魚丼。回転でも丼物!

 

新年最初は若手の2人展。

新年明けましておめでとうございます!

今年もアートにまつわるあれこれを書いていきますのでよろしく!

さて、2018年の最初に紹介するのは渋谷ヒカリエにある8/ART GALLERY/TOMIO KOYAMA GALLERYにて開催中の2人展です。西太志と矢野洋輔による展覧会、「居心地の良さの棘」は昨年から開催されていて見に行かなくてはと気になっていた展覧会です。気になっていた理由は二人とも1980年代生まれの若手作家だからでどんな表現をするのか是非見たかったのです。

 

リアルタイムな表現

僕はピカソが大好きだしウォーホルだって好きだし、現代アート全般大好きですがアートフェアでそういう巨匠の作品を見るのとは違う意味で若手作家が今作っているリアルタイムな表現を見るのもとても好きなのです。若手の作家に関しては作品の見方や見る時の気持ち、見た後に思うことなどが違ってきます。今活動していて、しかもまだ若くてこれからも様々な作品を作るだろうなという作家を見る時には「作品の見方」が変わってくるのです。そんな目でこの若手二人の作品を見ると二人ともそれぞれにとても「いいセンス」をしているし世界に通用しそうな感性と表現力を持っている作家だと感じました。さすが小山さんがいいと感じるだけあって二人とも素晴らしい作家としてますます活躍するような可能性を秘めていると思います。長くなってしまうので簡単に言うならば作品に世界に通用するセンスがあるということはとても大事で、それが日本的な世界に出れるセンスでもいいし世界のアート作品の文脈におけるセンスでもいいのです。そういう意味でセンスがいいかどうかは若手作家を見る時の僕の一つの判断基準なのですが、今回の2人展はとてもそういう意味でもワクワクする展示でした。

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西太志の作品はオブジェと絵の組み合わせからなる空間だった。

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矢野洋輔は木の魅力に自らの力強い造形を見出す彫刻作品。

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木そのものの年輪や形、コブなどを造形の手がかりにしているようだ。

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金網の上に座る人物?絵の具の塗り方や質感に相当こだわっている。

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怪しいい洞窟か?物語の一コマのようなシーンの絵は不思議だ。

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不気味な感じのするオブジェと絵の組み合わせが面白い。

 

Art Basel Miami Vol.5

クリスマスも終わり街はお正月に向けて忙しくなってきました。

アートバーゼルマイアミからの作品画像も今回で終わりです。

また来年もアートを追っていろいろなところに出かけます!

皆さま良いお年を!

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暴風の中揺れる椰子の木はマイアミっぽい?オブジェです。

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ジョージ・コンドは本当に人気で沢山の作品が売られていました。

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写真もありました、こちらは巨匠、アーヴィング・ペンの作品。

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やはりアーヴィング・ペンのビートルズポートレート。渋い。

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奈良美智さんの写真作品はパリフォトでも見たけどマイアミにも。

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キラキラオブジェに見入る女子たち。お洒落な若い女子が多数。

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なんか意味深な絵です、作者はわからないけど気になってパチリ。

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色々なオブジェが売ってました、これも好きな人がいるんでしょう。

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キャンバスの木枠に派手な色の編み込み的な作品。不思議。

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美しい古典的な花の絵の上にいろいろ貼ってある作品。

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最後の1枚はなんかホッとする可愛い作品にしました。優しさ!