若手のグループショー

学生をスカウト

アートバーゼル香港から戻り今度は外苑前にできたばかりのギャラリーEUKARYOTEにて若手のグループショーが開催されると聞いて伺った。「YOUNG ARTIST EXHIBITION2018」と題されたこのグループショーではギャラリーが面白い作家を発掘すべく大学に出向いて学生をスカウトするのだそうだ。今回選ばれた4名の作家、菅原玄奨Gensyo Sugahara、田岡菜甫Naho Taoka、堀至以Chiaki Hori、吉田裕亮Hiroaki Yoshidaはいずれも個性的で新しい表現に挑戦している。

 

個性的な作品

まず目を引いたのは菅原さんの造形作品で女性像だがどこかプラモデルのように見えて面白かった。その背後の壁には堀さんによる抽象画だがこれも色の配色や線の形の面白さなどいい感じである。2階に登ると田岡さんの絵とオブジェのインスタレーション的な作品があって絵とオブジェを意味ありげに配置しているのが興味深い。吉田さんの作品はミックスメディアな作品でペッパー君から型を取った彫像の背後から千手観音の手の一本ようにモニターがニョキッと出ているのも面白かった。こうした若手に作品を見せる機会を作るのは非常に大切だし今後もこの企画展を楽しみにしたいと思った。

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若手作家を大学に見に行ってスカウト的に集めてのグループショー。

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菅原さんの女性像はどこかプラモデルの原型みたいだ。

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堀さんによる抽象画は面白いと感じた。センスあるのではないか。

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これも堀さんの抽象画。色とか線の形とかいい感じである。

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田岡さんの絵とオブジェのインスタレーションには絶妙な間がある。

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田岡さんの絵画作品。新しい表現を模索している感じがする。

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吉田さんのペッパー君から型を取った彫像は仏像を連想させた。

アートバーゼル香港Vol.2

バーゼル二日目

アートバーゼル香港の二日目は前日に気になっていたギャラリーなどを少しじっくり見て回ることに。やはり世界的なギャラリーのGagosian、David Zwirner、Pace、Lisson、Perrotin、White Cubeなどは会場のセンター部分に大きなスペースでブースを展開していてパワーを発揮していた。特にすごかったのはGagosianとDavid Zwirnerで両ギャラリーともに現代アートの最高峰的なアーティストと近代アートの最高峰的なアーティストの作品を展示していた。ほとんどすべての作品はミュージアム級のレベルで素晴らしく同時に高額な作品ばかりだった。

 

日本勢も健闘

やはりアジアのアートフェアだけあって日本からも沢山のギャラリーが参加していて健闘しているなと思った。タカ・イシイ・ギャラリーや小山登美夫ギャラリーでは2日目に初日と作品の展示が変わっていいて売れていると感じたしミズマ・アート・ギャラリーSCAI THE BATHHOUSE、SHUGO ARTSなんかも意欲的な大型の作品を持ち込んで展示していた。ガゴジアンなどの有名ギャラリーも二日目には展示作品が変わっていてフェア自体が非常によく売れているというのが見て取れた。おそらく中国の新しいコレクターなどが熱心に買っているのだろうと思うが日本にはない「勢い」というものを感じたアートフェアでした。

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奈良美智さんの作品。アジア作家の作品が多かったのも特徴だと思う。

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ウォホールなどの巨匠の作品はユニークの高額作品が目立った。

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80年代にタイムスリップ!のデヴィッド・サーレ。新作だがリバイバル中!

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こちらも80年代の懐かしい作家、アシュリー・ビカートン。

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すごく大きなティルマンスの写真はデビッド・ツヴィルナーにて。

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Gagosianギャラリーの展示風景。リキテンシュタインがお出迎え。

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SCAI THE BATHHOUSEにてMORI MARIKOの美しいオブジェ。

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もちろんキース・へリングもありましたがいつもより少なめ。

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Perrotinギャラリーにて村上隆さんの金の銅像発見!凄い!

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Gagosianにはピカソもありましたが完全に美術館にあっていい作品。

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奈良美智さんの巨大な犬もありました!実物を初めて見た。

 

アートバーゼル香港Vol.1

久々の香港

さて、アートバーゼル香港にやって来ました。アートバーゼルマイアミは毎年行ってますが久々の香港。以前に来た時とどう変わっているのか、世界のアート界のアジアへの展開が今どういう雰囲気なのかを肌で感じるためにもとても楽しみなアートフェアです。世界中のギャラリーが一堂に顔をあわせるアートバーゼルですが日本からも沢山のギャラリーが参加してます。初日はプレビューデイなので招待された人だけが来れるのですがそれでも会場にはすでに凄い人が訪れていました。今日は2フロアーある会場をざっと回ってどんな感じか感触を掴み明日またじっくりと回る計画を立てようと思います。

 

アジアを意識

会場に入るとタカ・イシイギャラリーのブースがすぐにありました。タカさんに話を聞くとやはりバーゼルはスイス、マイアミ、香港という世界中で開催されるすべてのフェアでギャラリーは違った内容の作品をそれぞれのフェアに照準を合わせて持ち込むのだそうです。アートバーゼル香港はアジアを意識した作品構成でギャラリーが選別した作家の作品を持ってくるとのこと。広い会場を進むとガゴジアンやデビッド・ツヴィルナー、リッソン、ホワイトキューブ、ペースなどの世界的なギャラリーがすごい作品を引っさげてブースを展開していました。さすがここはアートバーゼルという感じでただただ驚きましたが確かにマイアミとは違うラインナップが多くてアジア向けに作品を選んで持って来ているなと感じた次第。さて、初日はそんな感じで色々と様子を見たので2日目はもっとじっくりプライスなども聞きながら見ていきたいと思います。

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やって参りました!アートバーゼル香港2018です!

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タカ・イシイでは沢山の日本人写真家の写真もフィューチャー。

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大好きなALEX KATZの大きな作品はすでに売れてしまってました。

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白黒反転のマリリン。今まで見たことないような作品もあるので面白い。

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このバスキアも今まで見たことない作品でした。高そう。

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ウォーホルのダイヤモンド・ダストシリーズ。数千万でしょうね。

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James Jarvisの可愛いスプレー作品。約100万円くらいでした。

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デビッド・ツヴィルナーにあったジェフ・クーンズは6ミリオン。

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ジェフ・クーンズのゲージング・ボールシリーズもありました。

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デ・クーニングの作品、こんなミュージアム級の作品も売ってます。

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好きな作家、アリス・ニールのペインティングもありました。

 

香港アート視察2

Yoshitomo Nara

今日から香港アートバーゼルのプレビューが始まりますがその前に昨日長蛇の列で断念したPACEギャラリーなどの入っているビルへ朝一で行ってみました。PACEギャラリーでは奈良美智さんの展覧会が開催されていて素晴らしい内容。卓越した絵画とドローイングに同レベルの完成度のセラミックが圧巻でした。もう奈良美智さんというよりもYoshitomo Naraという作家としての世界での存在感が感じられた展示でした。香港バーゼルでは村上隆さんのカイカイキキが奈良さんのために特設ブースを出すと言っていたのでそちらも楽しみ。

 

ギャラリーの巨大さ

もう一つの感動した展示は同じビルに入っているDavid Zwirnerギャラリーで開催されていたWolfgang Tillmansの写真展。写真も素晴らしかったけど大小様々なサイズの写真を額に入れたり直接壁に貼るなどして展開されるインスタレーションとしての魅力も楽しめました。そして、何と言ってもDavid Zwirnerギャラリーの巨大さには驚きで2階あるんだけど中で階段でつながっていて内装を工事して階段作って行き来できるようにしたみたい。ニューヨークのDavid ZwirnerギャラリーもビルまるごとひとつというスケールだしDavid Zwirnerさんの資金力のすごさを感じます。世界のアート業界の状況って凄まじい勢いがあるなと思いつつ、日本の現状にため息つきつつ、いざ香港バーゼルへ行って来ます!

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すでに奈良美智ではなくYoshitomo Naraという感じです。

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大胆で繊細でとにかく圧巻の完成度と迫力の展示。

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Wolfgang Tillmansの写真はなんと言っても魅力的なんです。

 

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大小の様々な写真が額に入れて飾られたり壁に直に貼られたりした。

香港アート視察

早速ギャラリーへ

香港でアートバーゼルが開催されるので香港に来ました。明日からは香港アートバーゼルだけど早速香港にある世界的なギャラリーを見に行くことに。目指すはセントラル地区にあるガゴジアンやパール・ラムなどの入っているPedder Streetのギャラリービルとホワイトキューブとペロタンの入っているConnaught Roadのビル。どちらのギャラリーも素晴らしいスペースでした。

 

広いスペース

まずはPedder Streetビルのガゴジアンギャラリー、広いスペースではJennifer Guidiの作品展が開催されてました。パール・ラムギャラリーではHuang Yuanqingという画家の抽象画、そのほかににはベン・ブラウンギャラリーでGert&Uwe Tobiasの不思議な感じの絵やサイモン・リーギャラリーでJim Shawのアメリカンキッチュな作品、またWHAT’ UP というキュレーション展示ではマスターピース級のアブストラクト作品の展示、そのほかにもルイ・ヴィトンの特別展示も開催していました。一方のConnaught RoadのギャラリーはホワイトキューブでAnthony Gormleyの彫刻展、ペロタンでは東京と同時開催のKAWSの展示が見れました。とにかくギャラリーの広さはニューヨークみたいで羨ましい限り。さて、明日からは香港アートバーゼルを見に行きます。

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ガゴジアンギャラリーでのJennifer Guidiの作品。

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砂のようなテクスチャーのモデリングペースト?を使った作品。

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Huang Yuanqingという画家の抽象画は色の使い方が良かった。

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かなりインパクトのある作品はとても好きな感じでした。

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WHAT'S UPでキューレーションされていたFranz Westのオブジェ作品。

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手前の立体作品はAnnie Morrisの作品。ギャラリーは活気があった。

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ルイ・ヴィトンの特別展示では世界のインテリアデザイナーとコラボ。

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こんな素敵で贅沢なチェア、欲しいものですが高そう。

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Gert&Uwe Tobiasの絵はすごく不思議な感じで版画みたいだった。

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SIMON LEEでは好きな作家の一人Jim Shawの新作展も開催してました。

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White CubeギャラリーではAnthony Gormleyの彫刻展を開催。

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PERROTINではKAWS作品展が見れました。書籍もあった。

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すごく広いPERROTINギャラリーの風景。たくさん人が来ていた。

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 KAWSによるこんな驚きのオブジェもあった。かなりデカかった。

KAWS

日本と香港で同時開催

5月12日まで六本木のPERROTINギャラリーにてKAWSの展覧会が開催されている。日本と香港で同時開催という今回の展覧会では大きなパインティングや小さな丸い形のペインティングなどが展示されレセプションパーティーには溢れんばかりの人が押し寄せた。それは普段のギャラリーレセプションとは違った雰囲気でストリートアートから始まり今では米国の現代アートを代表するアーティストにまで上り詰めたKAWSの人気の凄さを物語っていた。

 

多彩な活動

2000年代に入ってから注目されるようになったKAWSだが、その活躍はペインティング、壁画、大型立体作品、ストリートアート、グラフィックデザイン、プロダクトデザインなど多岐にわたる。多彩な活動だが全てにおいて一貫してウィット、風刺、愛情という普遍的なテーマがその背後に感じられる。最近では原寸をはるかに超えた巨大な立体作品や線と色がはっきりとに描かれたハードエッジペインティングが高く評価されているがファッションブランドとのコラボレーションも人気が高い。いずれにせよ、デビューから約20年だが今後もさらに活躍が期待される素晴らしい作家に成長したと思う。

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複雑な形をしたキャンバスに描かれたカラフルな絵画。

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丸いキャンバスに描かれたシリリーズは人気が高い。

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レセプションには普段のアートの時とは違う沢山の人が集まった。

Where did it come from

日本初公開

青山にあるRat Hole Galleryにて5月20日まで日本初公開となるアンディー・ホープ1930の展覧会「Where did it come from」が開催されている。新作のペインティングと立体作品の展覧会はドイツ生まれでベルリン在住の奇才作家の摩訶不思議な表現世界を見ることができる貴重なチャンスとなっている。作家の名前「Andy Hope 1930」は本名ではないがロシア構成主義モダニズムの終焉、そしてアメリカンコミックにスーパーヒーローが登場し始めた1930年という時代を自らの名前に込めているのだそうだ。

 

あらゆるものの混沌

アンディー・ホープ1930の表現領域は広くペインティングやドローイングはもちろん、立体、映像など複数のメディアを駆使してきた。表現内容もハイカルチャーからローカルチャー、自我にまつわることから社会までとあらゆるものの混沌を作品化してきた。そこに表現されるのは作家自身の空想世界やユートピア思考、歴史や新しい形態表現が縫い合わされた「無限迷路」と呼ばれる異世界だ。世界には面白い発想と表現力の作家がいるものだなあと思いながら見入ってしまった不思議な作品世界を皆様も機会があれば是非ご覧ください。

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なんとなく不思議な記号のようなシンボルのような図形だ。

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こちらも記号のようなサインのような面白い作品。

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どう見ても不思議な形の立体作品も展示されていた。

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電脳羊の仕組みを表した絵だろうか?説明図なのか。

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これも摩訶不思議な絵である。コミックの要素も感じる。

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絵画作品と立体作品で構成されたギャラリーの風景。