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滑らかな壁のポッツ

磨き上げられた美しさ

 

渋谷ヒカリエ小山登美夫ギャラリーにて11月3日まで開催されている藤田匠平「壁のポッツ」展を見た。壁のポッツとはポットの複数形の呼び名で会場の壁に沢山展示された色や形の違う大小様々なポットを指す。他にも皿や茶碗などもあるが全ては磨りガラスのような滑らかな表面とその内側から滲み出たような見事な色彩の柄で美しく輝く。藤田匠平は焼き上がった陶器の表面を長時間かけて削り、磨きあげてこの奥深い表面の風合いに辿り着くのだという。

 

削らなければ分からない

陶器の焼き色や焼いた後で色や柄がどう現れるかなどは焼き上がらなければ分からないしそれが焼物の醍醐味でもある。しかし、藤田匠平のこれらの作品は長い試行錯誤と実験的な試みにより陶器を削り上げた時にちょうどいい感じになるように制作されているというところが凄いと感じた。

 

飾ってもよし使ってもよし

一般的には陶器は「使うもの」と「見るもの」に分けられるものだが藤田匠平の作品はその境界を限りなく曖昧にするように作られているのだそうだ。つまりさっきまで壁に飾られていた作品が次には料理皿として料理が盛りつけられて出されるといった趣向である。食器として使ったり作品として飾ったり、作品はその役割を行き来しながら生活の中に息づくのである。なんだかちょっと素敵なコンセプトの作品だと思う。

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一輪の花が生けられたポッツが壁面を埋める。

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この色合い、表面の滑らかな質感は独特の美しさだ。

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立てて飾れば鯉のオブジェ作品だが料理に使っても良い。

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茄子のような可愛い蓋付き小坪は見ていてなぜか心が和む。

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このコウモリもお皿として料理を盛って出すことが出来る。