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柔らかい仕組み

具象的ヒントが隠れる抽象画

江戸川橋にあるMaki Fine Artsにて4月30日まで渡辺豊の展覧会「soft construction」が開かれている。まだ30代の若い作家であるがとても独創的で面白い抽象画を描くので興味深い。パッと見ると様々な色と線が織りなす抽象世界なのだがよく見ると所々に何かを連想させるような具象的な線や形がヒントのように隠されているのだ。しかし、それらは確実な何かを連想させるまでのヒントではなくあくまで絵にリズムと躍動感を持たせる役目を果たしているように感じた。

 

パウル・クレーが好き

作家の渡辺豊さんがギャラリーにいたので色々と話したが薄い絵の具を幾重にも塗り重ねたこの抽象的な絵はアクリル絵の具ではなく油絵の具で描かれていると聞いて驚いた。見た感じはアクリル絵の具のような色や透明感かと思ったからだが油絵の具と聞いてみて見ると確かに重ねた色の深みなどは油絵の具でなければ出せないのではないかと納得した。最近は油絵の具でも蛍光色など色々な新しい色がでているらしくそういった新しい色も使って試行錯誤しつつ絵を描いているという。

聞けば好きな画家は意外にもパウル・クレーだという。もっと現代絵画の人の名がでるかと思えば渋い好みだ。しかし、渡辺さんの絵には色々な色の表現や幻想的な世界を試みたパウル・クレーとの接点もあるように感じた。

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何かを暗示するかのような色と線、だが確かなものはない。

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かなりの大作だが絵の力が失速することなく描かれている。

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色や線が豊富で非常に複雑なようでいて絵のまとまりはある。

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見方によってはどこかの景色の幻想的な記憶のようでもある。

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重ね塗られた色のレイヤーによって絵に深みや変化がでる。